vol.1 「プツン!」と音がした。。。

 それは突然だった。

頭の右上あたりで、これまで聞いたことのない少し高めで 

「プツン!」 と何かが弾ける音がした。

 そう!これが私とうつ病との出会いであった。

 

今思えば、それは突然ではなく、必然だったのだろう。

 

 きっかけは、当時の上司との人間関係がうまくいかず、仕事が思うように片付かない日々を過ごしていた。

 その日も、翌日の会議のための資料を作っていた。資料といっても大したものではなく、Excelで作った簡単な一覧表だ。

 資料が整ったので、上司に確認してもらうと予想通りの「ダメ出しの嵐」。

しかも、内容というよりも資料の体裁(頭出し、改行、Excelの表の幅など)についてばかりを指摘してくる。

 

 負けず嫌いの私も応戦すべく、「指摘されたところを修正して、再確認してもらう」を3往復、いや、5往復・・・・

 いつも通り、定時退社はできず、残業。

 

 その上司もさすがに翌日の資料とあってか、少し残業をしていたが、しびれをきたしたのか、「先に帰りますね。あまり遅くならないようにね!」と言い残して退社。

 

え?! 誰のせいで遅くなっていると思ってんねん!

 

 指摘事項が内容ならまだしも、体裁って・・・・

おれは、「何のために」「誰のために」 仕事をしているのだろう・・・と頭によぎった23時07分。

 その時、頭の右上あたりで少し高めの音がした。